「旦那のシャツには柔軟剤の匂いをプンプンさせる」

そう言っていたのは、ハンサムな旦那様を持った女友だち。

そんなことをする理由はただひとつ……

浮気防止のためだそう。

彼女がまだ独身の頃、同じ部署にとても素敵な男性がいたらしい。いつも手入れの行き届いた服を着て、靴もピカピカ。とにかくオシャレな人だったそう。当時30代後半の彼は、数年前に離婚したばかり。社内中の女性がこぞって狙っていたという。

そんな彼から、ある時を境に柔軟剤の香りがするようになった。

彼が香りにこだわって使っているのか？

誰か洗濯をしてくれる人ができたのか？

いずれにせよ、オシャレな彼から柔軟剤の香りがするというその事実は、女性陣には大不評だった。

柔軟剤の香りがどんなに進化しようと、それが洗濯という行為の延長戦上にあることは確か。その香りから感じるのはやっぱり生活感だ。香水をほんのり香らせる男の色気とは、そもそも意味が違う。

もし彼がドラッグストアで、いい香りの柔軟剤を選んでるんだとしたら…

もし新しい彼女が、彼の家で洗濯をしてるんだとしたら…

いずれにせよ、女性陣たちの落胆ぶりは大きかった。

その時の経験から、彼女はハンサムなご主人に、柔軟剤の香りを振りまいておくらしい。

ところで、銀座のクラブでママをやっているある女性が、こんなことを言っていた。

「男の匂いで、その人の人となりがわかる」

例えばこんな傾向があるんだそう。

■加齢臭のひどい人に、仕事のデキる人は少ない。

■汗の匂いを放置する人は、女心に疎い。

■香水の匂いのきつい人は、自己顕示欲が強い。

うんうん、なんかわかる気がする。

柔軟剤の話もそうだが、匂いというものは、その人の性格や価値観、生活事情までをも、露呈させてしまうものなのかも。

そんな中、女が男性に求める理想はやっぱり「徹底した無臭」か「至近距離でほんのりいい香り」。

そこから感じるのは「清潔感」や「自己管理能力」「知性」「思いやり」といったところだろうか。

男性の匂いは、奥が深い……。

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リリー / ブロガー・エッセイスト

外資系企業勤務を経て2013年独立。一方、ビジネスのかたわら2014年に始めたブログが、わずか1年で月間100万PVを超える人気ブログに。美やキャリア、生き方に焦点を当てたブログ・エッセイは、女性に限らず男性にも支持されている。2016年4月に初の書籍を発売。

ブログ：http://ameblo.jp/love-otona/