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はじめに

わざと体の線よりも大きく仕上げて、ゆったりしたサイズ感で着用することを前提とする、いわゆる「ビッグシルエット」なアイテムを使ったコーディネートが流行している。上品で洗練された装いと、このビッグシルエットとは相反する側面が多いため、実は大人がうまく取り入れるのはなかなか難しい。とはいえ、ビッグシルエットは大きなトレンドの流れとなっていて、自分とは関係ないとうそぶいているわけにもいかない。そこで、大人世代に向けて、おすすめのビッグシルエットの着こなし方をご紹介しよう。

「オーバーサイズ」には気をつけろ!

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ビッグシルエットな着こなしをする上で、まず知っておいてもらいたいのが、ビッグシルエットとオーバーサイズとの違いだ。ビッグシルエットと似た言葉として「オーバーサイズ」というのがあるが、これは普段よりも大きめのサイズのアイテムを着用することをいい、はじめからゆったり着こなすことを前提としたビッグシルエットとは根本的に異なることを指している。

ところが、ほとんどの場合、この二つの言葉が混同されていて、ただサイズが大きなものを着ていればビッグシルエットだと思われている節がある。実は、これこそが大人をビッグシルエットから遠ざけている大きな理由の一つなのだ。

ビッグシルエットのアイテムは、着る人の体型をある程度想定しながら、綿密にパターンを調整してわざと寸法を大きめに設定し、「ハズした」感じや「ラフさ」を演出しようとしている。他方、オーバーサイズというのは全ての寸法がただ大きいだけ。普段Mサイズを着用している人がビッグシルエットを狙って下手にLやLLサイズに手を出してしまうと、アイテム本来のシルエットが崩れたり、過剰なドレープが出たりして、“服に着られている”感じになってしまう恐れがあるというわけだ。

アイテムによっては、うまくビッグシルエットを演出できることもあるが、多くの場合、バランスの悪いコーディネートに仕上がってしまうのが落ちだ。よほどシルエットやアイテムの細部を見極める自信がない限り、いつもより上のサイズを選ぶのは避けるのがベターだろう。

大人ビッグシルエットの要所とは?

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ビッグシルエットを着こなす上で、大人がまず気をつけるべきポイントは、ダークトーンで統一することだ。雑誌やネット上では、「モノトーンで仕上げる」というコメントをよく見かけるが、実はこれでは不十分。例えば白いニットに黒のスキニーパンツを合わせた場合、色のコントラストが出るため、アイテム単体のシルエットが強調されてしまうことになる。

むしろ、白ではなく黒いニットと合わせることで、トップとボトムの境界が曖昧になり、全体的なバランスが取りやすくなるというわけだ。トップ・ボトムともにダークトーンであれば、パーカやジョガーパンツのようなカジュアルなアイテムであっても、違和感のないスタイリングを作れるはずだ。

トラッドなアイテムがおすすめ

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大人がビッグシルエットを取り入れるなら、トラッドなアイテムが断然取り入れやすい。とりわけ、チェスターやトレンチコートは春先に大活躍してくれるはずだ。ニット製品やスウェット、ミリタリージャケットといったカジュアルなアイテムは、素材にもよるが、大人がまとうには印象が柔らかすぎたり、ゆるすぎたりするものが少なくない。

ただし、上述した通り、オーバーサイズのものではなく、あくまでビッグシルエットのアイテムをチョイスすること。本来ジャストサイズで着ることになっているアイテムを大きめで着てしまうと、ただブカブカに見えるリスクが高い。

コートに限らず、ビッグシルエットのコーディネートに使えるアイテムであるかどうかを見極めるポイントは肩幅だ。身幅が大きめにとってあって、肩線が二の腕のあたりまで落ちてきているもの。つまり、肩幅の概念がはじめからないものがビッグシルエットと考えていいだろう。ただし、購入前には一度必ず試着を。シルエットが要である以上、袖を通した時に、素直に「かっこいい」と思えるかどうか、自分の感覚を大切にしてほしい。

まとめ

大人がビッグシルエットのアイテムを着こなすポイントについて紹介してきた。ビッグシルエットは、扱いづらいアイテムながら、ワンランク上のおしゃれ感を演出するには、またとない素材だ。いまのコーディネートがマンネリ気味だとするなら、格好のスパイスになるはずだ。ぜひ試してみてはいかがだろうか。